街路樹の生育場所は、都市特有の厳しい環境下である。他の地域と比較
すると、成育環境は非常に悪い。
以上のような環境のため、街路樹として選定される樹種は、厳しい生育環
境に耐えることができるものでなければらない。
都市の地上には、架空線が張り巡らせれ、信号機が設置されている。これ
らを街路樹が被覆すれば、人々の生活への影響が出てくる恐れがある。も
し、信号機に被覆すれば、交通への影響が出て、事故などの危険性が出て
くる。
また、都市の地下には、上水道・下水道の管が埋設されている。街路樹の
根の成長に伴う上水道・下水道へ管の破壊を防止する必要がある。
街路樹の生育環境は、いつも太陽光が照射されるとは限らない。ビルなど
の建築物により陰になり、太陽光が時間により遮断される可能性がある。
アスファルトやコンクリートなどで舗装された道路では、太陽光が吸収され
ず、反射され、街路樹は照り返しを受ける。
自然の中では、夜間、街灯等の光の影響は少ない。しかし、都市では、夜
間照明が、街路樹に光を照射し続ける。夜間照明による街路樹の成長サイ
クルに狂いが生じてしまうのではないかという懸念がある。
アスファルトやコンクリートの舗装された道路からは、アスファルトやコンクリ
ートの成分が、土壌に溶け出し、土壌が、樹木の生育するのに適していな
い、アルカリ性になってしまう。
自然界では、葉が落ち葉として地面に散った後、落ち葉は木々の栄養
分として、再び吸収される。しかし、都市では、アスファルトに覆われている
上、落ち葉は清掃されてしまうために、木々は栄養分を吸収することができ
ない。
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