一番はじめに問題として挙げられるのが、著作権違反という問題であるWinMXで交換されているファイルの多くが著作権のついた動画や音楽のファイルである
ファイル交換を行う事によって無料でファイルを入手する事が出来るのであえてお金を出して製品を買うことが無くなる。この影響を最も受けているのが音楽・CD業界であると言われている。実際、オリコンチャートで上位の曲はWinMXで容易に入手する事が出来る。また、幾つかのCD会社がコピー防止のCDをだしているがこれもすぐにコピーを破る方法が出回っており、コピー防止はいたちごっこになるであろう事は目に見えている。
法律上の問題は、何も著作権だけではない。WinMXでは成年向けの動画や画像も大量に公開されている。これらのファイルには未成年でも簡単に検索・入手出来てしまうだけでなく、これらの類の動画や画像を公開すると猥褻物陳列の罪が適応され、立派な犯罪となる。
その他の問題には、モラルの問題が挙げられる。WinMXは、ファイルを交換する目的で存在する。しかしながら中にはDOM(Download Only
Member)と呼ばれる、ファイルを入手するだけでファイルを与えない人間がいる。これはファイル交換のコミュニティを崩壊に導く一因となり得る大きな問題である。
音楽ファイルの流出
(1) 数人の人間が音楽CDを手に入れ、そのCDから音楽データーを抽出しMP3ファイルへとエンコードすることにより、音楽データサイズは容易にダウンロード可能なサイズまで圧縮され、最新の音楽ファイルも簡単に共有することができる。共有されたMP3は需要がある限り不特定多数の人間によりダウンロードし続けられ、ダウンロードした人間がまたそのMP3ファイルを共有する。そのためMP3ファイルの所持者・共有者はねずみ算式に増加することになる。その結果、新譜がリリースされてもCDを買わない人々が増加し、音楽CD全体の売り上げは減少する。
(2) これに対し日本レコード協会はコピー防止機能つきCDの開発を進めてきた。 日本では、2002年3月13日にエイベックスより発売された「BoA」のマキシシングルに初めて採用された。このコピー防止機能にはイスラエルのMidbar
Techが開発した「Cactus Data Shield」方式が採用されている。エイベックスは「ファイル交換ソフトなどで音楽が無料で交換されている。こうした“音楽創造のサイクル”を断絶する違法行為を阻むため,コピーコントロールCDの発売に踏み切る」と発表している。しかし、このコピー防止機能にも多数の問題がある。通常のCDプレーヤーやDVDプレーヤーでは再生できるがMP3再生方式を搭載するカーオーディオ(CD-ROMドライブを利用したカーナビなどと一体化された製品など)では再生できない機種がある。
またWindows搭載PCではオーディオトラックは再生できない。またオーディオトラックをリッピングしてMP3などにエンコードしたり,CD-Rにコピーすることもできない。
ただ同CDには音楽再生専用ソフトが含まれており,起動することでエクストラトラックに収録された音楽を再生できる仕組みになっているという。ただMacintoshには現時点では非対応で,MacユーザーはPCでこれらのCDを再生することは不可能である。
上記のように通常のCDプレーヤーで再生可能と言われているが、実際には通常のCDプレーヤーの中でも再生することが出来ないものもあり、消費者からの反感を買っている。
ソフトウェアの違法コピー
(1) 音楽CDと並んで、ソフトウェアのアーカイブ共有も非常に大きな問題である。WinMx等のP2Pソフトは、「lzh,zip,rar,exe」等の拡張子のものも共有することが出来る。このため、商用アプリケーションも非常に大量に共有・ダウンロードされている状態である。これら商用アプリケーションは非常に高価なものばかりであり、アプリケーションを販売している企業にとっては非常に大きな打撃となるものである。さらに、これら商用アプリケーションをインストールする際はシリアルナンバーと呼ばれるレジスト番号が必要になるのだが、これらシリアルナンバー集もセットで共有されている場合が非常に多く、またこのシリアルナンバー集のみを共有している場合もある。しかし、ファイル共有に関しては、アップロード可能な状態にする人間に対して法的責任が課せられるため、ダウンロードする側は法的には何の責任もない。それゆえこのような商用アプリケーションをダウンロードする人間は後を立たない。
(2) このような違法な商用アプリケーション共有に対し、ついに京都県警が2001年11月28日ファイル交換ソフトを使ってビジネスソフトなどを交換可能な状態に置いたとして,著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで,東京都杉並区内の大学生(19)とさいたま市の専門学校生(20)を逮捕した。警察の調べによると彼らは「WinMX」を利用し,アドビシステムズの「Photoshop
6.0」やジャストシステムの「一太郎」,などを不特定多数のネットユーザーに送信できる状態にし,ソフト会社の著作権を侵害した疑い。ACCSによると,ファイル交換ソフトによる著作権侵害で容疑者を逮捕したのは世界で初めてということである。日本では1997年(平成9年)の著作権法改正で,実際に送信が行われなくても,著作物を無断で送信可能な状態にするだけで著作権の侵害になることが規定されている。今回はこれをファイル交換ソフトでの著作権侵害に適用したことになる。このように実際に逮捕者まで出しているが、この事件後も多数の商用アプリケーションの共有はわずかに減少しただけに留まり、その絶対数はほとんど変化がないという見方が多数派である。警察もACCS側もこのようなユーザーの動向を監視するのには多大な人的労力を用し、莫大なユーザー数を抱えるファイル共有ソフト全体を監視するということは現状不可能である。いわば、今回の逮捕者は、交通違反の速度取締りと同じようなれベル、またはそれ以下のレベルで行われたに過ぎず、運が悪かったという言葉だけで済まされてしまうような程度のものである。警察が期待したような見せしめ効果も全くといっていいほど得られず、今後の課題は山積というのが現状である。
解決策
(1)法的解決・法整備
・ 重度の法的刑罰を科す
・ 第三者による監視・監査団体の設置=監視システムの整備
(2)ソフト会社側に責任を科す
・ 音楽著作権を有するファイルがアップされた場合に、その音楽会社に対して著作権料を支払う
・ ソフト会社はユーザーに対してシステム利用料を請求する→利用者への課金
・ 共有できるファイルの拡張子を限定する(偽装されたら終わり)しかし、偽装をすると初心者にはハードルが高くなる→利用者の絶対数は減る→すたれる→自然消滅
or コアユーザーのみ利用を続ける←今に比べ社会的影響は少なくなり=以前のWWW UG warezサイトのような状態に逆戻り。今の一番の問題点は、知識の乏しい技術力のないビギナー達が一番の問題。そのようなビギナー達を駆逐することが出来れば今よりはましな状態になると思われる。
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