4-1 まとめ
    4-2 謝辞


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 最後に発表全体をふりかえってみますと、ペットの飼育放棄という問題は、単に技術的に解決できる問題ではなく、現代人特有の「自己中心性」と、一面的なイメージを植えつけることによって過剰消費を促す社会システムの構造の中で、捉える必要があります。つまり、一方で過剰な消費を促進しながら、他方では飼育放棄が後を絶たないという、私たちの社会全体としてのペットに対する態度は、人と自然、さらには、人と人との関係を同時に映し出しています。この意味において、「ペット問題」は現代社会を映し出す鏡である、といえます。

 自己中心的な眼でしか世界を見られない人は、人も自然も動物も、自分に都合のよい資源とみなすでしょう。世界を相互関係のもとで見るときも初めて、自分の中にある自己中心性とその危険性に気づくことができるのです。そのように考えてみると、ペット問題はそれに関わる一部の人だけの問題ではありません。人間の自己中心性に対する徹底した反省によって初めて、ペット問題に対する根本的な問題解決、さらには共生社会への道も開かれてくるのではないでしょうか。


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