街路樹の現状
<街路樹調査>
1954年に主要都市を対象とした、街路樹に関する、全国規模の調査が、
建設省によって初めて実施された。その後、1967年、1982年と調査が実
施された。表から、調査回数を重ねるごとに、調査対象地は増えていること
がわかる。そして、1967年から1997年まで、5年置きに全国調査が行われる
ようになった。
地方別高木本数を見てみると、5つの地域の中で、人口千人当りの高木の
本数が、最も多い地方は、北海道地方で、152本/千人である。最も少ない
のは、35本/千人の関東地方である。
次に過去43年間(1954〜1997年)の街路樹の変遷を見てみる。調査ご
とに植栽本数、樹種数、共に増加している。イチョウは常に上位にあるが、
プラタナスは、調査ごとに順位が下がっている。1955年から1997年の43年
間で上位5種占有率は75.6%から32.1%に、上位10種占有率は約90.
3%から47.5%に低下している。
上の表から、街路樹の本数は調査ごとに増加している。また上位占有種の
比率が低下している。このことから、街路樹の多様化が進んでいることが言
える。
1982年と1997年の比較
調査対象樹木が、街路樹になった1982年と1997年の調査を比較した。
表<上位10種の変遷>に載っている上位5種の原産国を調べた。
1982年では、1位から4位まで、中国と北アメリカが原産の外来種が占有
している。1997年では、2、3位に日本原産の種類が入っており、1982年と
比較してみると、中国・北アメリカ原産の外来種が全体的に減少している。
また、上位6位かでも同じような傾向があった。
現状を見て
当初、日本の街路樹は、限られた樹種しか植栽されておらず、外来種で
占められているのではないかと考えていた。しかし、実際は、調査の度に、
街路樹の植栽本数は増加しており、今まであまり植栽されてなかった樹種の
導入が見られた。樹種が多様化していた。
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